交通部観光局(日本の観光庁に相当)が日本側の招きに応じ、台湾の高校生によるチームを名古屋の有名なイベント「にっぽんど真ん中祭り(通称、どまつり)」に参加させた。アフターコロナでは初めての試み。「にっぽんど真ん中祭り」は1999年に始まって今年で25年目。今年は3年ぶりに海外からのパフォーマンス団体も招いており、観光局では台日の文化交流促進と台湾観光の多元的な魅力のPR強化のため、台湾中部・台中市の私立新民高級中学(=高等学校)のパフォーミングアーツ科の教師と学生40名からなるチーム「Taiwan好Young(たいわん ほう やんぐ)」を同イベントに参加させた。チームは観光局国際組(部)の黄易成組長(=部長)が率いた。
「にっぽんど真ん中祭り」には日本、海外のパフォーマーたちと各国からの観光客が集い、各地の特色ある踊りや多彩な服装、ソーラン節が名古屋の複数の会場でにぎやかに披露される、踊る側も観る側も音楽と踊りの魅力を存分に味わえるイベント。台湾の「代表チーム」は「台湾を見る・お茶」と題し、台湾でお茶を作る際に使用する「米篩」(大型の竹製盆ざる)、すげ笠、客家(台湾で二番目に大きいエスニックグループ)の花柄の布など伝統的な道具を用いて伝統と現代を融合したダンスで、台湾の豊かな物産と活力に満ちた精神を全力で表現した。
特にユニークだったのはお茶の「香り」をパフォーマンスに取り入れた点。観客は台湾民謡のメロディーに浸りながら魅力的なダンスを観賞すると同時に、断続的に漂ってくる台湾のお茶の香りも楽しむことが出来た。観客たちはあたかも台湾にいるかのように、聴覚と視覚、嗅覚で台湾の魅力を味わったことになる。パフォーマンスの最後、パフォーマーたちは笑顔で観客たちに「旅行台湾・就是現在!」(Time for Taiwan 今こそ台湾の旅を)と呼びかけ、満場の喝采を浴びた。